〜看〜


「看」は手で見ること。

子どもに「おはよう」と声をかけるだけで、体調がわかると保育士は言います。元気な返事、暗い返事、毎日のことですから、自然に異変を感ずるのでしょう。ただ、いつも元気のいい子がたまに弱々しく返事しても、病気とは限りません。少し注意が必要ですが、これは体調よりも気分的なことが多いのです。

心配なのはもともと元気のない子が一層弱々しく感じた時、これは赤信号が多いのですね。

いつも元気な子でも、赤信号の時はあります。赤信号を感じた時は、急いで聞かないこと。「お腹が痛いの? 頭が痛いの? えっ、どうしたの?」と子どもが返事をする間もないくらい早く聞かないこと。ゆっくりゆっくりがいいですね。言葉かけは大事ですが使い方に工夫がいります。

もっとも、朝は忙しくて、ゆっくりできませんね。そんな時には親しかできない特技を使うといいですね。それは、抱きしめること。安心感を与えること。そして聞くこと。それならできますね。えっ、それもできないくらい忙しい?

では、次ぎの手。

手で触ること。まず額。熱はないか。次にお腹、次に背中。足も。ともかく、触れること。

看護婦さんの「看」は手に目と書くのですね。子どもの観察は目だけではいけません。親なら手を使いましょう。

(哲地蔵)

2008.1.21発行 KID'S倶楽部 Vol.164