とんび


少年事件は悲しい。それが親殺しであればなおさらに。殺された親に子への愛情がなかったわけではないだろうが、その表現が下手か歪(いびつ)か、いずれにしろ子どもには伝わっていなかった。千手観音は「あの手この手で人を救う」シンボルなのだそうだが、これからは「あの手この手で愛を伝える」ことも必要では。

少年の親殺しは女性による殺人事件と似ている。〝圧〟に耐え続けた挙句の爆発という意味で、だ。自分の家庭や対人関係が適当に逆らったりグレたりできる環境かどうか点検してみませんか。「これだけしてやってるのに」と思っている人は特に。

2008.1.21発行 KID'S倶楽部 Vol.164