ヒューマンスクランブル 第299回


相馬増子さん

作品はすべてノートリで。

原2丁目の相馬増子さん

「そりゃ、うれしかったですよ。初めて応募して受賞しましたから」と笑顔で語るのは、タウンニュースてんぱくフォトコンテストで天白商店街賞に輝いた、原の相馬増子さんだ。多趣味で凝り性という相馬さんがカメラを始めたきっかけは、何と弓道。「近くのスポーツセンターでやっているのを見て始めた」という腕前は二段。「型を見るのに、お互いに(写真を)撮り合うんですよ」
もちろん、このとき初めてカメラは好きでした。子ども(の成長の記録)を撮っていたのも主人ではなく、ずーと私でしたし」
オートフォーカス全盛の今、問われることが少なくなったが、カメラを構える姿は、銃、あるいは弓などで的をシュートする姿と似ている。弓道をしていた相馬さんが、カメラのとりこになった理由の一つかもしれない。
だから、今も愛用しているのはデジカメではなく、アナログの一眼レフ。本格的に始めるにに当たって通信講座で1年、NHKの写真講座も1年受講した。
基礎がしっかりしているから、妥協もしない。デジカメで撮れば、PC上でどんな“操作”も可能だが、相馬さんの信条はノートリ(ミング)。風景をファインダーで、切り取る。
撮りたいものを、ファインダー越しに探すのは大変だ。今回の受賞作品は、平針会場の「どまつり」がテーマ。「初めて地元にやってきたのですから『撮らなくっちゃ!』」とスタートからゴールまで追っかけ、約100回シャッターを切った。
タイトルも、もちろん自分で付ける。「ようこそ平針」は、変哲がないけれど相馬さんの“熱い”感謝の気持ちが込められている。この気持ちに応えて“商店街賞”。撮り手と主催者の思いが合致した

2008.1.14発行 紙ひこうき Vol.319