〜理解してもらう努力〜


天白川に冬の使者ユリカモメが来ました。その様は、「来た」というよりも襲来。30羽は優に超す集団はけたたましく、先住の鳥達も黙らせます。それでいて人なつっこいのですね。えさを投げれば1メートルくらいまで近づいてくるのですよ。

さて、園に珍しく男性研修生が来ました。それも一流企業の現役社員30歳。なんでも、製作現場の責任者らしく、上司から「会話、自分の話を聞いてもらえる勉強をしなさい」といわれて選んだところが、「保育園」とか。それも、「自分で研修場所を探せ」ということで電話が来たのです。

その電話はとても緊張していて、「私は○○会社の○○部門の○○係りの○○で……」。それがまた初々しくて、つい「どうぞ」と応えたのです。

一日、保育室を廻った彼の感想が、冒頭のユリカモメです。

それが、保育士の一言で静かになる、何だろうとして気が付いたのは「先生はみな、座って話すのですね」
というのです。

そう、子どもと視線を水平に合わせることは保育の基本ですね。

彼の現場は出入りの多い期間雇用者が半数近くいるそうです。作業内容を伝え、理解してもらわねば仕事は止まってしまいます。

この一日が彼の仕事に役に立つように。こうした研修をさせる企業もすばらしいですね。。

(哲地蔵)

2007.11.19発行 KID'S倶楽部 Vol.162