とんび


小中学生を含む「今時の若い人」のキーワードは「合わない」だ。皆「学校が合わない」「職場が合わない」と安易に言い、自分がついていけないとは露程も思わず安易にやめる。「合わない」は若者にとって黄門様の印籠みたいだ。

少し前までは、そんな都合のよい言い方はなかった。違う環境に違和感を覚えても、慣れようと努力し、融け込もうと心を砕き、新しい環境から学ぶこともあると自分を励ましもしたのだが。今は親までもが最初から「うちの子、合うかしら」心配するらしい。何? 合わないって。何? この抽象的な言い方。いつから出てきたんだ?

2007.11.19発行 KID'S倶楽部 Vol.162