ヒューマンスクランブル第294回


12代目 名古屋大学チーム「鯱」の一員としてどまつりに!

田中こころさん

平針1丁目田中こころさん

八月二十四日から三日間、暑い名古屋が、さらに”熱く”なる。そう、第九回にっぽんど真ん中祭りが開かれる。今回は地元平針も会場になるから、楽しみだ。
見るのも楽しいが、踊りはやっぱり「踊らにゃ、そんそん」。平針の田中こころさん(19)も、入学と同時に「名古屋学生チーム『鯱』(しゃち)」に入会。二回目の”本番”を楽しみにしている。
一人っ子だが、子どものころから活発で、近所に男の子が多かったこともあり男の子と遊ぶことが多かった。小学校ではバスケ、中学ではバレーボール。高校では演劇部に籍を置いた。
「初舞台では、緊張した」が、「見られること」に快感も。よさこい踊りも、高校時代に経験した。「母親が”どまつり”を見て、勧めてくれたんです。高校では、文化祭でよさこいを踊りましたが、やっぱりはまりました」
どまつりに出場するようになったのは鯱の一員になってから。入会して「よさこい名」も自分で付けた。よさこい名とは、あだ名のようなもので、チーム内では、皆、よさこい名で呼び合う。ちなみにこころさんは、煉(れん)。「煉には、鍛えるという意味があるんですよ」
夏休み中は、ほぼ毎日練習があるし、「丸八」の日のイベントなどにも参加。何かと忙しいけれど、バイトも欠かせない。というのも「どまつり」が、いわゆる”自腹イベント”だからだ。
衣装なども手作りとはいえ、経費はかかる。チーム八十人の移動代だってバカにならない。踊る方も、会場を設営する方も、みんながお金を出し合って行う。今どき、一切に打算がないから、心から楽しめる。一心に踊るから、そのエネルギーが観客にも伝播する。
心配事は、暑さ対策。消費エネルギーは、例のビリーにも負けない。しかも暑い名古屋の炎天下だ。もう一つは「自分たちの踊りが見ている人に伝わるのかどうか」。
が、まつり当日、こんな思いは霧消する。会場となる大津通で、煉さんも一匹の鯱になる。

2007.8.14発行 紙ひこうき Vol.314