おばけやし


6月末、恒例の宵まつりバザーを行いました。バザーでは、遊びコーナーやお化け屋敷をやっています。お化け屋敷は4〜6年が担い、毎年その大変さも楽しさも伝え引き継がれています。

今年は初めてとなる4年生が3/1を占めることとなり、不安もいっぱいでしたが、5月に区内学童保育の高学年キックベースを通して、〝皆が互いを認め励まし力を合わせて頑張ってやっていくこと〟の喜びや、そこでの自信を実感できたようで心強く思っていました。

「受付や案内人がやりたい」と言っていたRちゃん。〝お客様へのお願い〟という表示をしっかり書きました。当日は受付を切り盛りし、怖くて進めない人の案内も「小さい子だからあまりおどかさないでねー」「大丈夫、一緒にいこー」等とリードしていました。

「中は怖いから受付やる」と言ってたYちゃんは、画家志望の腕をいかして看板作りにハッスル。男のプライドからか「怖い」と口にはしなかったものの「受付やる」とS君。〝お客さんに並びを知らせる〟プラカードを他の女の子たちとコツコツ作り、当日はその札を持ち、案内していました。

整理券や受付場を作ったり、窓をふさいだり、コースや演出を考えたり…。楽しい事も面倒な事も当日に向けて一つずつ…。清掃のとき「ねぇ、掃いたら床も磨きたくなって皆で雑巾がけ頑張ってるよ」と皆のムードも高まります。

S君も含め4年男子は荷物を外に出したり窓をふさいだりの地道な仕事も適当に息を抜きつつもよくやりました。ですが共にやった6年のA君は「まぁ頑張っとるけどちょっと雑。もうちょっときっちり貼らんと」と陽がもれることを確かめつつハッパをかけます。

そして自らも「ドラキュラしたいから」と道具を作り、塗り、しかけを考え、全体をリードしていました。そんな姿を見て4年K君は「オレお地蔵さんやる! だから墓作るね」と即行動。他の人の協力を仰ぎつつも作り、当日も見事な演技ぶりを見せていました。

約二週間少しずつ準備をして当日——200人近い人に入っていただき、子どもたちも大喜び。大変だったけど〝充実感〟を感じていました。

4〜6年生のこの時期、上のこのリードのもと、ひとりひとりの知恵を寄せ合い、一人じゃ出来ない「でっかい事」を成し遂げていく喜び(大変さも含め)を味わった経験が、大きな財産となっていくことを願ってやみません。
(平針学童保育クラブ/斉藤仁志)

2007.7.17発行 KID'S倶楽部 Vol.158