自然と遊ぶ


五〜六月にかけてさわやかな天気が続きました。この時期になると池や草むらにいろんな生き物が出てきたり、木々に実がなったりして子どもたちもワクワクします。
近くの池に行くとカエルや大きなオタマが飛び込んだり動いたり。「お〜いるいる」と一年生などはそれだけで大喜び。草下あたりをすくってみせるとザリガニ、ドジョウ、小ブナなどが入り「お〜さすがだね」「オレたちもやってみる」と目を輝かせます。
二年生のAちゃんたち三人はペットボトルで作った仕掛けを池の中に沈めておきました。翌日「入っているかな」と期待しながらも「そう簡単には入っとらんよね」と心を落ち着けたりしながらペットボトルを引き上げてみると「やったー入っとるー」と大きな声。たとえ獲物は小さくても、心の喜びはでっかいのです。ところが沈めるために開けてあった沢山の小さな穴から水がシャワーのように飛び出していき、「これじゃ水が減って死んじゃうよー」と大騒ぎ。
「バケツ、バケツ」「持ってきてないよー」「わーどうする、水がー」「走りゃいいわ学童まで」「バケツ持って来たら?」「走った方が早いし」…Aちゃんは半泣きです。何とか持ってきて入れ物へ…ところが今度は魚が引っかかって出ないので再び大騒ぎ。テープをはがせばすぐ出せるのですが、とにかく焦っていたのでしょう。そして経験もなかったので予期せぬことにパニック。笑ってはいけないけど、周りの者はつい笑ってしまいました。まあ、それくらいで死ぬこともなく、無事取り出せ水の中へ。一安心でした。「よかったー」と女の子たち。次は「エサやっとこー」。けど「あ〜ドバーと出ちゃったー」とビックリの量が水の中へ。「あ〜取り出さんと…」。いやはや…。
涙も出て何かと大騒ぎだったAちゃんはー 本も大好き、感情豊か、人のこともよく気にかけてあげるやさしい子です。以前、飼っていた魚が死んでしまった時も、ポチと名付けた一年生のS君(その日はお休み)のことを気にかけ「S君、悲しくなるだろうなー」「お墓作っておいたげよー」と二年生女子たちと作り、その後もお墓参りをしてあげていました。
AちゃんRちゃんたち二年生の女の子たちは、なにせこうしたことは未経験ゆえ、いっぱい学んだこともあったことでしょう。
クワの実取りに興じたり、敷地内のビワの実を「おいしい、食べてみちゃった…へへへ」と可愛らしい顔をする男の子、ビワ取りツアー(おやつ用)の女の子たち、種をまいて「育つといいな」の子たち、にぎわう日々です。
(平針学童保育クラブ/斉藤仁志)

2007.6.18発行 KID'S倶楽部 Vol.157