おやつづくりをとおして-


学童保育では、毎日四時頃おやつを食べています。やや時間的には遅くなる晩御飯までの、子どもたちにはなくてはならない、そして楽しみな時間です。ただ”食べる”ということだけではなく、日々生活を共にする仲間と話に花を咲かせながら、和やかに過ごせる時間でもあります。
そして”生活をする場”としての学童保育で、おやつを子どもたちと作ったりすることも、楽しく有意義なひとときとなります。だから台所設備は狭くて貧弱ではありますが、なくてはなりません。
四月に入所した一年生たちも少しずつ慣れてきて”その子らしさ”を見せてくれています。そんな一年生たちに「お団子を作るけど手伝ってくれるかな?」と声をかけると、「やるやるー」「やってみたーい」と張り切って、手洗い、袖まくりー。粉に水を入れつつコネコネとこねて、ちぎって丸めてー。最初はみんな慎重になるのか「これ、ちょっと小さい?」「あれ、これ硬くない?ヒビがはいっとる」とながめながら。そしてめげることなく「水足せばいいじゃん!」「耳たぶくらいの柔らかさがいいって言ってたよね」とSちゃんの耳たぶを「どれどれ…」とつまんでみたり…。そんな感じで作っていくうちに、大きさも形もさまになってきました。
そのうち二、三年生も少しずつ加わってきました。二年のT君は台所で「ゆがくのがやりたい」とお手伝い。そこへ三年のH君も来て「おいT君、まだ団子浮いてこんだろー。見てろ…ほら浮いてきた。そうしたらすくうんだよ」と経験を伝えてくれました。そのあとT君は「エプロンをしよう!」と言って(なぜか首にタオルをかけるのですが)、教えてもらったように張り切ってやりました。そのあとも”タレ”作りなどおやつ作りの輪は広がりました。
学童っ子の中にはいろんな子たちがいます(あたり前ですが)。外でワーと遊びたい子ばかりでもありません。やりたくても「入れて」と言い出せない子もいます。だから休息やじゃれあい、お話も含め、様々な生活様式の中の機会をもてたら…と思っています。おやつ作りなどは、一緒に作ったり食べたりの中で、その子らしさがでたり、気持ちよく関わり合えたりすることが多いです。”心地よい時間”として、これからも大切にしていきたいです。
(平針学童保育クラブ/斉藤仁志)

2007.5.21発行 KID'S倶楽部 Vol.156