入所歓迎会


春は出会いと別れの時期。三月末、六年間学童保育に帰り続けた三人の子たちが巣立ちました。その子たちの成長に心より拍手を送り、皆でお祝いしました。そして四月、新二年生も含め、十一人の子どもたちが入所してくれました。
三月後半から皆で手分けしながら「入所歓迎会」の準備をしてきました。正直”面倒臭いなあ”といった思いもある子どもたちですが、どの子たちも自分が入所してきた時の思いや、先輩に迎え入れてもらった事等を振り返ったりしながら、新しい仲間を気持ちよく、そして自分たちも楽しみつつ迎え入れてあげようとしてきました。
”歓迎の言葉”を考え、賞状のようにして渡す中心となったRちゃん。「う〜ん、何て言えばいいんだろう」と悩みましたが「学童ってこんなとこだよって事を伝えたり、これから仲良く生活しようねって事とか伝わるといいんじゃない?」と話したり相談したり、これまでのも思い出しながら-学童はお家の代わりになる所/みんな仲良く帰ってきてネ/ドキドキしているだろうけど/ここには指導員や兄さん姉さんもいるし、困ったりしたら何でも言ってネ/一緒にこれから遊んだり、おやつ食べたり、行事をつくったり、楽しくやっていこうネ-そんな中味で書いてくれました。それにKちゃんMちゃんらがしっかり一人一人の名を書き込み、当日は堂々と気持ちを込めて読んでくれたRちゃんでした。
Yちゃんには弟がいて入所してきます。それもあってでしょうが、張り切ってTちゃん、Rちゃん、Aちゃんらとプレゼント係になりました。それはもう決めた時間以外もいっぱい使って楽しそうにプラバンを作ったり、紙粘土の鉛筆立てはキレイにできたとは言いがたく…別の物になったのです。が、それでも落ち込むことなく「じゃあ”学童の一日”っていう紙芝居したい!作るから!」と言うのです。「あと二日だよ、それは大変じゃない?」と少しストップをかけたのですがYちゃんたちは「大丈夫。やってみたいからやってみる!やれるって!」と目を輝かせ言うのです。正直、そのパワーに驚き嬉しく思いました。この子たちもこの一年、紙芝居を皆の前で読んできて、自信もつけた子たちでした。その表れなのでしょう。
四人は、ストーリーを考え、他の子らの力も借りつつ、せっせとそして実に早く絵を描き、塗り、十枚程度の紙芝居を作ってしまいました。「すごいねー」と言うと「でしょー」と得意顔。そして練習したり、「これでいいかなー」と実演してみせたりし、当日も上手に読むことができました。
クッキーやべっ甲飴を作ったり、くす玉や飾りを作ったり、見事に司会を務めてくれたり…と、入所歓迎会は二年生以上の子たちの成長ぶりも実感させられる機会となりました。
(平針学童保育クラブ/斉藤仁志)

2007.4.16発行 KID'S倶楽部 Vol.155