支えられ、励まされながら


 早いもので今年度も、もう少しで終わりになります。子どもたちを見ていると、この一年の日々を通して”成長してきてるなあ”と感じさせられます。
 冬から春にかけ、コマ遊びや竹馬遊びを伝承遊びのひとつとしてとりいれ楽しんできました。とはいえ、初めてやる一年生にとっては、そうそうたやすくできるものではありません。
 竹馬遊びは初めてのAちゃん。マイ竹馬ができたところに、六年生のHちゃんが「A、竹馬できたの?私、竹馬はイマイチなんだよなー。
けど今年は1.5メートルとか、高いのに乗りたいなあ」と話しながら一年生のAちゃんの手をとり、「よしっAちゃん、いこっか!」と公園へ二人で出て、Aちゃんが歩けるように竹馬を支えつつ励ましてくれました。すぐには歩けないけど…次の日、Aちゃんは
「Hちゃん、まだ帰ってこないかな?」と、また一緒にやれるのを楽しみに待っている姿がありました。それから何日かー。もう一息で自力で歩いていけそうなAちゃんです。
 同じ一年のK君。コマは回せたのですが、保育年の時とはコマひもの巻き方がちょっとちがい、本人もうまくいかず…そう感じると「できない、やらん」となっていました。うまく話したり甘えたりも苦手で、背をむけてしまうところもあるK君、だけどやりたくないわけでもなく…。指導員はK君に、何が、どこが困っているのかをゆっくり訊いてやり、巻き方、投げ方を一緒に少しずつやっていると、うまく回るようになりました。「まわったぁー」とニコ〜。それからは一年男子同士で「ケンカゴマやろー」と誘って楽しんだり、ひとりで黙々と回したり、新しい指導員には、自分が教えてもらったように「こうやって…こう投げるんだよ、見てて」などど教えてあげたりもしていました。
 他の子たちもそうですが、その子一人でできていくのではなく、みんなに刺激されたり、支えになってもらったり(心も)しながら力をつけていくのです。大きな自信とまた次への意欲もふくらみます。そして”できた”ということだけでなく、そこにある友だちとの楽しい遊びの世界を味わえることが、何よりステキなことと思います。
(平針学童保育クラブ/斉藤仁志)

2007.3.19発行 KID'S倶楽部 Vol.154