とんび


校則に辛抱できず、息子が高校を中退。

職人の道でもと思ったが、中卒の進路は厳しかった。バイトを見つけてはすぐにやめる息子に心を痛めたが、長男が「次のバイトまでの期間が短くなってきてるから、明るい兆しだよ」と教えてくれたので見守る事に。
バイト先から「見込みがあるので本格的に」という話も来たが、結局そこもやめてしまった。

「仕事は真面目なんだと分かっただけでも良かったじゃん」という長男の言葉でまた心をなだめた。
ある日「人生をやり直すなら今よ」と彼女に言われた息子はその足で大検塾へ。
温かな周囲のお陰で殺しも殺されもせず今日がある。

H.18.7号