新しい仲間


「ここ(学童)がみんなのお家がわりになります。仲良くみんなで帰ってきて下さい。学校で嫌な事があったとしても、学童で話したり遊んだりして吹き飛ばして下さい。ここには指導員やお兄ちゃん、お姉ちゃんがいます。
~略~
今日からぼくたちの仲間です。入所おめでとう」

―――五年生になるK君が考えてくれた〝歓迎の言葉〟です。
今年も十二名の一年生が入所しました。親も子も期待と不安をいっぱい持ちながらの仲間入りです。
1日でも早く、学童が安全に安心して心地よく過ごせ、楽しみ多き場となるようにと、指導員も改めて心に刻む時です。
うれしくすてきな場面に出会いました。

四月から共に過ごして一週間後、学校から学童へ初めての分団下校。指導員も学校へお迎えに行って安全指導をしながら一緒に帰ってきます。H小の一年生は七人。その中に保育園の時、足を骨折したAちゃんがいます。お母さんもとても心配しておられました(足のこともだけど、まわりに迷惑掛けないか、と)。

Aちゃんはこの日からギブスも取れて歩いて帰れるようになりました。
本人は元気なもので、痛みもなく気にする様子はないよう。でも足はちょぴり引きずっています。バランスを崩して倒れたりするといけないので、ランドセルは指導員が持ちました。「サンキュー」とAちゃん。他の六人もAちゃんの足のことは知っています。「みんな早く帰りたいだろうけど、ゆっくりたのむね」と話はしていました。
先頭はBくん。とても大きな声で活発な面を見せる子です。(大丈夫かなァ、しびれ切らさないかなァ)と少し不安もあったのですが、見事に(良い意味で)裏切られました。

横断歩道などのポイントポイント、そして後ろも見てくれて「ストーップ」「いい? よし行こう!」などと声をかけたり、後方の指導員を見て目で確認したりしながら、他の子たちとも協力してくれて、まとまって帰ってくれたのです。
とても嬉しくなり、その日みんなの前でも誉め、ありがとうとお礼も言いました。Bくんはとても嬉しそうにニコッ。子どもたちって素敵なものを心にいっぱい持ってるよなァと教えられました。
次の日は雨。今度はCくんがAちゃんのことを気にして、声をかけてくれました。
こんな風に一人一人の違いを認め、思いを寄せ、行動し合える仲間であってほしいと願う指導員。そのための努力をしていかねばと感じさせられる場面でした。

(平針学童保育クラブ/辻綾子)

KID'S倶楽部 H.18.4号