トワイライトってなんだ?


今まで小学百景で何度も登場している「トワイライト(スクール)」。名古屋で平成二桁生まれの家族のいる人でなければ、聞きなれない言葉で戸惑った人も多いはず。
簡単に言うと放課後教室で、授業終了後にトワイライト用の教室に集り、学習やスポーツ・文化活動・地域住民との交流等をする。

放課後も子供を預るときくと、学童保育と違うのか? と思ってしまう。色々な人の話を聞いてみると、学童では包丁をさわらせたり調理する機会がある。トワイライトでは有り得ないそうだ。他にもトワイライトでは敷地(教室)から出て活動する事は稀だそうだし、学童に通う子の保護者は仕事等で家にいない事が多いが、トワイライトに参加する子の保護者は普通に家にいたりする。

当事者にとっては色々と異なる点は多いようだ。昔と違って「みんなで遊ぶ」ということが学校なり学童でないと難しいのだ、という話も聞いた。

「トワイライト(スクール)」という名前も名古屋での呼び方で、他都市では、例えば横浜市の「はまっ子ふれあいスクール」、大阪市の「児童いきいき放課後事業」などがそれにあたる。文部科学省推進の「放課後子ども教室推進事業」にあたる事業という事で、各都市で内容も微妙に異なっているのだろう。

さて、トワイライトでは(責任者とは別に)APさんと呼ばれる人たちがいて、子ども達をみている。APさんは、トワイライトの責任者のアシスタントという位置づけだ。

いつもはおとなしく遊んだり宿題したりしている小学2年生のA君が、珍しく女性APさんに寄って来て何か言いたげな視線を向けている。APさんが「A君、どうしたの?」と尋ねてみると、「APさん、左手みせてー」と言ってくる。「いいよ。でも、何で? どうして?」と不思議に思いながらAPさんが左手を差し出した。

A君はAPさんの左手をみると、「あっ! 指輪がないっ! APさん、独身なんだーっ」と騒ぎ出した。なるほど、結婚指輪の事を誰かに教わったばかりなのだろう。しかし小学2年生にそんな所をチェックされるだなんて思ってもみなかったAPさん。意表を突かれて「違うよ、違うよ、お仕事とかで邪魔になる事が多いから、普段は外してるだけだよ」と、あわてた様子でA君に答えてしまった。

そのあわてぶりが、またまたA君を喜ばせ、APさんの独身説がA君の満面の笑みと共に教室中に広まってしまったのであった…。

※トワイライト(放課後子ども教室推進事業)の説明について、「名古屋市子ども青少年局子ども事業調整室」さんにご協力いただきました。

(F)

KID'S倶楽部 Vol.181:小学百景