よその子でも?よその子でも?


土曜日は出席者も少ないからか、普段にはないほのぼのとした雰囲気があります。
お弁当を食べる前は、しばし静かにして「いただきます」をするのですが、しゃべりたい低学年に高学年の子が「シーッ」とジェスチャーで注意するなどほほえましい光景も見られます。
そんな落ち着いた中、少人数の子どもたちとおしゃべりをする機会がありました。私が「昔は地域で子どもを育てたんだよ」というと、A君が「どういうこと?」と訊いてきます。

「何か悪さをすると誰彼なく近所の人が注意してくれたの」

「今はどうしてやらなくなったの?」

「他所の子を叱ると文句を言う人が出てきたからよ。だから、おじちゃんとかおばあちゃんとかが何も言えなくなっちゃったんだよ」

「ふ~ん」

「だからもし地域の人に叱られても、あなたたちが大切だから叱って下さるんだと思いなさいね」

「どうして文句言われるかもしれないのに叱ってくれるの?」

「近所の人たちはあなたたちが立派な人に育つのを見届けたいのよ」

「他所の子でも?」

「そりゃそうよ、おばちゃんだって近所の子のこと気になるもん」

「じゃあ、僕たちが中学になっても高校になっても声を掛けてくれる?」

「あたりまえよ。あなたたちは?」

「絶対に手を振るよ」。

この日のほのぼのとしたおしゃべりが、どうぞ心に残りますように、と思いながら子どもたちとの会話を楽しみました。

KID'S倶楽部 Vol.177:小学百景