とんび


30年ぐらい前までは各町内にひとつ、といっていい程「そろばん塾」があった。そろばんの上達以外に、こうした塾は夕方の子守りという役目も担っていたように思う。だから一部・二部はまるで遊び場で、三部の商業高校の生徒だけが真剣にやっていた。

のどかな時代だったと思う。
今現在のそろばん塾の事は知らないが、学習塾に目を移すと超難関校にチャレンジする塾は大繁盛で、中間どころは少子化と不景気の波をもろにかぶって生徒が集まり難いのだと新聞に載っていた。単純に解釈すれば、成績が良くて経済的ゆとりのある子は益々できるようになり、ほどほどの子はほどほどのままということになる。

嫌な現象だ。

KID'S倶楽部 Vol.177