家庭と学校の間で


砂を投げて遊ぶのは失明にもつながるので、スクールでは幾度も注意をして禁止にしています。
それなのにやっている子どもを発見。ただちに外遊びを止めさせ、全員を室内に入れました。ところが2人の男の子がどうしても入ってきません。

専任の先生にお出まし願って早速お説教だったのですが、そのお話をじっと聞くことすらできず、「言う事を聞けないならトワイライトに来ないよう親に話します」とまで言われて、ようやく「は~い」という有様。ところが遊戯室に戻ってきた途端に、また悪さ。

授業のうっぷん晴らしかもしれませんが、今の子が何でこれほど荒れるのかがAPには分かりません。
お母さんに伝えた場合、「よく言って聞かせます」という人もいますが「ああ…」と生返事しかしないお母さんもいます。気の無い返事をするお母さんの子どもは、宿題もやっていないようです。

家庭で学校の話をするかどうかは子どもの成長に大きく関わっているのではないでしょうか。「学校や勉強のことなんか全然しないよ」という子どもは、良い方になかなか進んでいきません。

時間的にも立場的にも学校とご家庭の中間にあるトワイライトスクールだからこそ、見えてくるものもあります。ですから学校との情報交換も必要なのですが、一応トワイライトは学校とは切り離された独立組織ということになっているので難しいようです。
また、プライバシーの尊重や個人情報の保護も大きな壁になっています。 

人としてのモラルをどこで学ばせるか。「家庭で」という人もいますし「学校でお願いしたい」という親もいます。しかし、それは親と学校の共同作業であるべきです。

地域は家庭、学校に次ぐ「第三の子育て機関」です。地域で見守るのがトワイライトなのですが、家庭とも学校とも風通しが悪ければ、その力を全力で発揮するのは難しいのです。

KID'S倶楽部 Vol.176:小学百景