良いお母さん


新聞の投書欄に興味深い投書がありました。その女性は「何がしたいか」というアンケートに「良いお母さんになりたい」と答えたそうです。

教職か保育士と思しきその女性は、近所の人から「人の子どもをみるより自分の子どもを見たら?」と言われたのと、我が子から「お母さんは仕事は好きかも知れないけど私たちをよく見てない」と言われたショックが「良いお母さんになりたい」になったようです。

本当に難しい世の中になったものだと思います。
我々が子育てした時代と違い、今は共稼ぎは当たり前。加えてこの不況ですから、どのお母さんも必死に働いて生活を支えているのです。

しかしそれが子どもにとっては淋しい事なのでしょう。文句を言う子もいれば可哀想なくらい忙しい母親に気を遣う子もいます。お母さんたちだって同じです。どういうことをすれば「良いお母さん」なのか、どこまですれば「良いお母さん」なのか、みんなが悩んでいるのです。

しかも子どもにとっての「良いお母さん」は十人十色ですから、基準がないのです。 

A君のお母さんは若いせいか私たちから見ると少し頼りない面もありましたが、参加表のこまめな書き方で熱心なことは人一倍だということが伝わってきていました。

A君はやんちゃなので、いろいろ問題を起こします。APはお迎えの時にお話をするのですが、その遣り取りを繰り返すうちに明らかにお母さんが進化をしてきていることが分かりました。今ではAPからの提言があると、必ずそれについて子どもと話し合っているそうです。良い方向に進んでいるわけです。

若さゆえのつたなさと見えたのは、実はA君のお母さん自身がどのように頑張れば良いのかを知らなかっただけだったようです。APは偉くも何ともない普通の近所のオバサンたちですが、少なくともこの土地で子育てしてきた実績だけはあります。子育ての先輩として、何でも話してくれればいいなぁと感じた次第です。

KID'S倶楽部 Vol.175:小学百景