ヒューマンスクランブル第298回 


平針ソーランの生みの親 平針の杉浦道代さん

平針ソーランの生みの親 平針の杉浦道代さん

日本人は踊りが好きだ。代表的なものは、盆踊りだろう。この盆踊りも近ごろでは「ボンダンス」として若者も“輪”の中心で踊っているという。
名古屋のど祭も、そして北海道のYOSAKOIソーランも、踊りのイベントだ。この二つの祭の共通項は、子どもや青年が多数参加していることだろう。
そう、平針中学校にも「平針ソーラン」がある。このソーランを指導しているのが平針4丁目の杉浦道代さんだ。
杉浦さんが踊りを始めたのは、嫁いで来てから。「義母が踊りを習っていて誘われました。それまで踊ったことなどなかったんですが、体を動かすことは好きでしたから」約30年前を振り返る。
おかげで、しゅうとめとは仲良し。「どこに行くのも一緒でしたし、何より共通の話題ができたのが大きかった」と笑顔。
日本民踊研究会に所属していて、平成2年には師範の資格も取得。平針公民館などで民謡を教えている。“頼れる杉浦さん”には、子どもの成長に従い、いろいろな役も舞い込んできた。平成7年には主任児童委員、民生委員など・・・・
「平針中学校の先生が踊りが好きで『ソーラン踊りを生徒に教えてくれないか』って。私も稚内の中学生がYOSAKOIソーランを踊っているのをTVで見て感動しましてね。この感動を味あわせたいと」
そうして平針ソーランは誕生した。「創作したのははじめて。でも、地域の反応も良かったですし、有志でしたが、子どもたちも真剣に取り組んでくれましたし」と言う。
最初はすべて手作り。衣装のはんてんも。「今は予算も取っていただいていますし、はんてんも新調しました。区民祭でも踊ったんですよ」と楽しげ。
初めは、義母と二人だけだったのが、今では娘も加わった。家族の“輪”が、地域にも“飛び火”。今では大きな輪になった。「子どもたちから感動をもらっています」。輪のなかで“目線”は常に一定なのがいい。

2007.12.11発行 紙ひこうき Vol.318