私は異邦人 I LOVE NY 49


子どもデイケアでカットするリッチな子NYの美容界。セレブも通う有名サロン&スパをはじめローカルで気軽に行けるサロンまで数百件。仕事上日々様々なサロンのスタイリスト(美容師)&オーナーと話をする。アメリカ人、日本人は勿論、多くの国から人をきれいにするプロ=美しい髪づくりに徹するスタイリストの人がサロンにいる。
最近アメリカのサロンでは髪をきれいにするだけではなくネイル、エステ、指圧マッサージなどサービスの種類も幅広くなっている。働く女性、しかも同時に美を極めたいという女性にとっては願ってもない条件。行きつけのサロンで多目的な用が済ませてしまう。
マンハッタンでは一回の来店で千ドル(十二万)支払っていくリッチな女性も多い。マンハッタン、ミッドタウン(五番街付近)には多くの有名サロンが立ち並ぶため、顧客層もセレブ等リッチな女性がたくさん。一部のサロンでは簡単な整形手術もできてしまう。NYの女性の美に対する意識は上を見たら限りないというくらいに果てしない。五番街でお買い物、その後はサロンに行って全身きれいに…。こんな夢のような生活を日々普通にしている女性がごろごろ。
またアメリカではどんなサービスにもチップという文化があり、サロンもサービスを受けたら感謝のしるしとしてチップを払う。各サロンでの経営方針、各スタイリストがどれだけのお客を持っているかによっても異なるが、あるスタイリストのチップのみの一日の収入は三百ドル。そう、サロンではサービスしてくれた一人一人にチップを払うのだ。シャンプーをしてくれたアシスタント、カットならカットしてくれたスタイリストへのチップ等々。
数日前、数名の美容師さんがマンハッタンのサロン訪問やサービス体験をするために日本から一週間来ていた。このチップの現実を知った彼らから「アメリカで美容師になるにはまずどうしたらいいですかね?」と質問を受けた。答えは簡単。「手に職を持っている美容師さんですもん、渡米される日程を決められて荷物をパッキングして渡米すれば職はすぐに見つかりますよ!」。来れば何とかなる、そうそれがNYだから。必要なものは情熱だけ!

2007.6.12発行 紙ひこうき Vol.312