販売部 田沼宏和(38)


販売部 田沼宏和さん

販売部 田沼宏和(38)
身長/168cm 体重/53㎏ 
家族/妻・娘

『小学○年生』などの児童向け雑誌には偉人伝の類がよく掲載されている。「人物」に興味があった田沼さんは、やがてその人を形成した「時代」に興味を覚えるようになり、人間を通して歴史を見たくなった。だから大学では日本史専攻。例えば大石蔵之助。芝居の脚色を抜いた史実だけを追うと、彼の思想とそれを培った時代が見えてきた。「結局、事実を自分で見るのが好きなんですよ」。

これがやがてマスコミへの興味となり、サークルは放送研究会。各新聞を持ち寄ってネタ探しをするのだが、日経の『ヒット商品ランキング』の記事に(切り口を変えれば、こんなに興味をそそることができるのか)と感心。バイト先のテレビ局で見た「人に情報を伝えていくしくみ」にも心を動かされ、就職の方向性が決まった。

平成3年日経に就職。どこでも裏方に徹するタイプの田沼さんが選んだのは販売部だった。が、直後にバブルが崩壊し、後に「失われた十年」と呼ばれる暗黒の時代を新入社員として過ごすことに。「都心に配属されたのですが、それまであたかも会社の備品のようだった日経が、経費節減で激減。百部を二部に減らした会社もあった」と田沼さん。「気持は前向きでも、社会全体が沈んでるんで辛いものがありました。でもこの時代が僕の原点なんです」

二年前に名古屋赴任。「地元同士で固まるという先入観がありましたが、気心が知れたらOKでした。名古屋の人々の行動力に驚いています。自信があるから行動力に繋がるんでしょうね」と名古屋人物観。歴史がねぇ、時代がねぇと、もっとお話したかったな!

2007.5.2発行 エコノミスト●なごや Vol.29