ボケてる暇がなーい! 多趣味な高橋静さん 


多趣味な高橋静さん

 団塊の世代が定年を迎えはじめる今年。'07年問題と世間は騒ぐけれど「まだまだ、たったの六十年」と言われてしまいそう。そう、今回紹介する中平五の高橋静さんは”九十寿目前”の八十九歳だが、何しろ元気者だ。
 とにかく多趣味。もともと絵が好きで、手仕事は大好き。手元だけでなく、スポーツも大好きだ。現在、熱中しているのは水彩画。始めて五年と、キャリアは浅いけれど、A4サイズのものを二時間ほどで仕上げている。
 「前に住んでいたところの婦人会では、いろいろなクラブを作ってきたし、華道は、資格を取って教えていたことも。老人クラブでは、切り絵や日本画もやっていたけれど、日本画はニカワを溶くのが面倒でね。その点、水彩画は楽」とにっこり。
 植田の教室に通っているけれど、先生は実の娘さん。「娘が送り迎えをしてくれるから」とめがねの奥の目が、またまた細くなる。
 長く続いているのが、クロスステッチ。こちらのキャリアは、何と五十年以上。「金婚式の時、記念にとクロスステッチで作品を作ったし、孫の命名の時も、記念の作品を作ったよ」と話し、「ひ孫が生まれたで、また作ってやらないと」と、エンドレスの創作意欲。「止められない、とまらない」のCMじゃないけれど「気が向けば夜中でも。夜が明けちゃったこともあるよ」と大笑い。
 こんな静さんの、もう一つの楽しみは、プロ野球。ひいきチームは残念ながらドラではなくトラ。「星野さんが好きでね。監督を辞めた後も、そのまま阪神」というのがその理由。これなら納得だ。その星野さんが今度は「ジャパン」の指揮を執る。メンバーには、ドラとトラの選手が数多く選ばれるだろう。そして、舞台は、来年の北京。野球が五輪種目になる最後の年とも言われているからなおのこと、静さんのためにも金を取れ、日本代表!!

紙ひこうき H.19 Vol.308