てのひらのしあわせ 湯川 千恵子さん
2014-03-31 00:00:15
「てのひらのしあわせ」 この、ほっこりとしたタイトルの本を出版したのは原学区にお住いの湯川千恵子さん(79歳)。
ラジオ番組のために書いたものを編集者が年代順に並べることで、湯川さんの79年を著す一冊となった。
「今まで出した本全部に言えることですが、私ひとりの力で出せたわけではありません。まわりの皆さんの支援、協力で出来上がったものなんです」と湯川さん。
著書の中に還暦の話が書かれている。還暦とは、十干と十二支が61年目に生まれた年と同じ暦に還ることを祝うもの。
そう考えると60才は0才の赤ちゃんと同じ、ここから人生が始まると思えば何てすばらしいことだろう。
そして湯川さんはその通り60才から英語の勉強をはじめ、アメリカの大学へ入学、大学院を卒業するまで頑張った。
「アメリカの大学は簡単に入学できますが卒業するのは本当に大変。毎日の宿題・レポート・発表にとても苦労しました。でも大変な時に手を差し伸べてくれる人が必ずいるんです。アメリカの教育は〝励まし”なんですよ」
大学院を卒業する時、湯川さんは「日本へ帰ったら本を出します!」と宣言。
その時は実現できるとは思っていなかったけれど本は出版された。
湯川さんはこう思う。
「新聞に載ったり、テレビに出たりすると特別なように思われますが、特別な人生ではなく与えられたことを一生懸命やってきた人生だと思うんです。ひとりひとりが必ず持っている何かを大切にする。与えられたチャンスやきっかけに前向きに取組む。それがそれぞれの人の特別な人生になるんだと思います」
今後は、大学で学んだベストフレンドアプローチ、レクリエーションセラピーなどについて、認知症患者や家族の皆さんに伝えていきたいとのこと。
「人前で話すこと苦手だったんですけど、今はとても楽しいです」
湯川さん、これからも益々のご活躍を!
2014.03 発行 紙ひこうき Vol.394