あらゆるものをキャンバスに! トールペイント講師 井手 弘美さん


トールペイント講師 井手 弘美さん

ヨーロッパで生まれ、アメリカで広まったと言われるトールペイント。日本でも一大ブームを巻き起こし、今も安定した人気を誇っている。

平針1の井手弘美さんがトールペイントを始めたのも18年前。「娘が友達にプレゼントしたい」と言ったのが契機。「知り合いにトールをやっている人がいたので、小さな木にクマの絵を描いて手渡した」と振り返る。「絵で身を立てたい」と考えたことがあるほど絵が好きだったのも“後押し”したのだろう。

楽しく習い始め、2年ほどで講師資格を取得すると、教室を主宰。今ではその教室も3つに増えた。

一口に「トール」と言ってもその歴史から奥が深く、種類も多い。井手さんもアメリカン、オランダのアッセンデルフトを基本にしたナチュールマーレン、そしてドイツのバウエルンマーレライの3種類を教えている。

「それぞれ絵のスタイルも画材も違います」と話すが、トールの魅力の一つは「あらゆるものがキャンバス」になることだろう。「絵心がなくても、お手本をトレースして写し、その上にアクリル絵の具で描いていきますから大丈夫」と、未体験者にも熱く呼び掛ける。

また「スキルアップして完成されていく喜びがありますし、私にとっては、生徒さんの喜びの声を聞くのも楽しみの一つ」と目を細める。「それに、私も皆さんからいろいろ教わってますから」。

2012.02 発行 紙ひこうき Vol.368