護身にも合気道 / 合気道天白道場 伊藤美奈子代表


合気道天白道場 伊藤美奈子代表
護身にも合気道 合気道天白道場 伊藤美奈子代表

ぶっそうな世の中だ。子どもに携帯を持たせたがる親の気持ちも、まさにここにある。が、携帯が“身”を守ってくれるなんてことはあり得ない。ならばやぱり武術を。
護身術として、もっとも有名な武術と言えば、合気道。中平に「合気道 天白道場」がある。しかも、代表は2児の母親でもある伊藤美奈子さん(32)だ。

「空手をやっていた父が、23年前に合気道の道場を開設しました。当時9歳だった私も最初は遊び感覚でしたが、兄と一緒に始めまして・・・」という美奈子さんは4段の腕前だ。

ところが2年前、父親が急逝。「兄も、もう道場は閉めてもいいと言ってくれたんですが…」。「でも、私は、この道場が好きでしたし、もちろん合気道も」と言う。

とにかく、負けず嫌いだし、稽古も厳しいほど燃えてくる性分、と笑う。「4段を取得したのは昨年。でも、昇段試験を受け上を目指すというのではなく、稽古をするのが楽しい。自分を見直す場所でもありますし」

現在道場には、小1から60代までの約70人が学んでいるし、6段を筆頭に6人の指導者もいる。
「先生の協力、母そして主人の協力とサポート。みんなのおかげでやっています」と感謝の言葉を口にする美奈子さん。

“アラサー”の若さで、礼儀も正しく、凛としていられるのは、やはり合気道のせいなのかしら、と思う。

「身を守るなら携帯より合気道」と痛感した。

2010.09 発行 紙ひこうき Vol.351