ケイコちゃんのマネーゲーム



6月13日、ついに614円安。
六日からの六営業日の間に1166円下げ、五月八日につけた高値からは何と3073円、実に18%のダウンだ。
米国のインフレ懸念や下げ止まらない株式市場に投売りも出ているらしい。加えて村上ファンド・村上代表の逮捕で株式市場の信頼感も揺らいでいるのではとのこと。経団連の御手洗会長の「ちょっと下げすぎでは?」との発言に「そうだ」と誰しも思うものの株価は反発なし。先が見えないくらい霧がかかった感じだ。

でもソフトバンク2325円。買いたい。実はこんな時こそ「買い」。というか、今こそ「絶好の買い場」なのかもしれない。
ケイコは思い切って2250円で「買い注文」を出した。

18日の日曜日、ケイコは久しぶりにA子(ケイコに刺激され株を始めた・Vol.10参照)と会った。そこでA子から凄い話を聞かされた。
去年の12月のこと。なにやらもっともらしい会社名のインベストメント事業部というところから「優良銘柄のご案内」という内容の郵便物が届いたそうだ。

それは「近々上場予定の未上場株を入手できました。このような株はめったに出てきませんので早めにご検討下さい」というもので、「尚、売切れの際はご容赦下さい」というダメ押し付き。封筒の中にはそれらしい印刷物や、株券見本までご丁寧に入っていたそうだ。
優良とされる企業名も、如何にもと思われる今風のもの。主要株主には誰でも知っているような超一流企業がずらり。譲渡価格は1株百万単位で、上場したら十倍以上の値をつけるだろうとの事。

なんか夢見たいな話。ついに私にも「インサイダー情報」が入ってきた、よし儲けようとA子は一瞬思ったそうだ。
だがその時ふと、付き合いのある証券マンから「気を付けて下さいよ」と、以前聞かされたインチキ話を思い出した。早速連絡すると「電話をして頂いて良かったですよ。それ詐欺ですよ。今、問題になってまして」との返事だったそうだ。

自分は証券マンとの付き合いがあったから助かったけど、一人でやっていたらひょっとしたら払い込んでしまったかもしれないとA子。それくらい巧妙に攻めてくるのだそうだ。
どこから個人情報を得て送りつけてくるのか? 敵はこちらが株をやっているのを知っているのだ。株と無縁ならば話に乗ることもないが、なまじ少し株を知っているものだから『欲と二人づれ』となるのだ。

「あなたも気をつけなさいよ」と言われ「うん」と答えるケイコだった。

エコなご Vol.24