事故の処理で親への連絡


3月の今頃は、子どもも保育士も、年長組はともかく、いろいろな行事を終えて少し気が緩みます。そんな時に事故は起こりやすいのです。

いつもはおとなしいA君が、ふざけてバレーシューズを投げると、運悪く、女の子の顔にあたり、鼻血が出て前歯が2本も欠けてしまいました。女の子はシヨックと痛みで泣きだし、ことの重大さを知ったA君もパニック状態。応急の処置を施し、ひとまず落ち着かせる。

親にどう連絡しようか。
園の方針は、「園内のことは園内で納める」であるが、女の子は、歯科医の受信が必要だからすぐにでも連絡しなければならない。が、さて、A君の親には連絡するか、しないか。子どもの喧嘩やいざこざであれば連絡しないこともある。

今回のA君も意図してしたことではない。責任を問うまではできない。以前、怪我をさせられた子の両親に、「相手は誰だ」とねじ込まれたこともある。
子どもが自分で親に正確に話すことは期待できない。まして親同士のいざこざにはしたくない。責任は園でもつことを確認して、結論は担任保育士から連絡することにした。

結果的に正解となった。
感謝したいのはA君の両親が真正面に受け止めてくれたこと。「親として先方にお会いしたい」と電話番号と住所を尋ねられた。さっそく、女の子の家に連絡すると、「乳歯で永久歯には影響なかったこと」ことも幸いして、A君の親ともスムーズに会話できた。

子どものこととせず、真摯に対応してくれたA君の両親にお礼申し上げたが、A君もそんな両親を一層誇りにと思うことだろう。

KID'S 倶楽部 Vol.188 幼年図鑑