中坊白書 学級閉鎖


2009年9月。新型インフルエンザが猛威をふるい、各地の小学校や中学校で学級閉鎖が相次いで発生した。

K男の通うクラスも、ついに学級閉鎖になった。
「学級閉鎖」と言われても、友達と遊びに行くことしか考えられない。そうなる前から「ウチのクラスが学級閉鎖になったら、一緒に遊ぼう」なんて約束をみんながしている。

学級閉鎖の連絡を受けたK男は、さっそく約束していた友達に電話をしたが、何とその友達もインフルエンザにかかっていて遊べないという。せっかくの学級閉鎖なのにK男は全く予定がなくなってしまった。

家には他に誰もいないので「とりあえず思う存分TVゲームをしてやろう」と、午前中はTVゲームをやり続けた。しかし、昼食の頃には(思ったより早く)ゲームに飽きてしまっていた。

何か他の事がしたい。TVをつけてみても、興味のない昼ドラやワイドショーしかやっていなくて見る気もしない。出かけようとも考えたが、一人で遊びに行くとなると、何だかすごく悪い事をしている気がしてきてしまう。

K男は時間がたつのが遅く感じた。グダグダしていても、ぜんぜん時間がたたない。

夕方、やる事がなさすぎて、母が帰宅する頃には机に向かって自主的に勉強を始めていた。
「おぉ、スゴイ! 勉強しとるの?」と感動する母に、「もう学級閉鎖、ヤダ。全然ツマンナイ」と答えたK男だった。

KID'S倶楽部 Vol.185