ヒューマンスクランブル第315回


自分に自信が持てる!
古流現代日本空手道同心門 荘司哲也さん

古流現代日本空手道同心門 荘司哲也さん

子ども、とりわけ男の子は“強さ”に憧れる。これは、いわば“オスの本能”と言っても良い。もう少しこのメカニズムを解けば、少なくとも「自分は弱い」「自信がない」というものが憧れる。

平針の荘司哲也さん(35)は、古流現代日本空手道常心門の指導士として、毎週火曜と土曜の午後7時から2時間、場所は緑区の神ノ倉中で空手を教えている。

現在では三段の腕前の荘司さんが、空手を始めたのは小3の時。「近所の子がやっていたので、道場に見に行きました。練習風景を見て、空手のかっこ良さに衝撃を受けましてね」

極真空手の祖、大山倍達の伝記「空手バカ一代」を夢中で読んだこともある荘司少年が、入門するのに時間はかからなかった。「当時は、いじめをされたこともあり、やっぱり強くなりたいとの思いもありました」と振り返る。

小6で現在の常心門に入門。メキメキ腕も上達。仲間たちからも一目おかれるようになると、もちろんいじめもなくなった。何よりも自分息子にも「危ない目に遭いそうになったら、まず逃げなさい」と指導している。

「殴ったりが目的でなく、ストレッチ的な整体」と説く荘司さんが指導する教室には、園児から40代。80歳で初段を取った方もいるほど、実に幅広い年代層。

もちろん、女性会員も。
「何かと物騒な世の中ですからね。それにうちの流派には女性会もあり、女性だけの型もあるんですよ」。
そう、護身術としても格好な武道なのだ。

最後に、空手をやっていて良かった事を尋ねると「やっぱり仲間」と一言。
一人では無理なことも、仲間がいれば助けてくれる。大切にしていきたい。

2009.05発行 紙ひこうき Vol.335