新聞代ぐらい、ちょっと倹約すれば出るのに…


港区野跡学区民生委員・児童委員協議会
会長 久保 義雄さん

久保さんの学区はこの度「孤立死ゼロ事業」のモデル地区になった。
「港区で高齢者が一番多いからですよ」と久保さん。

「市営住宅は1人か高齢夫婦でないと賃金オーバーで出なくてはならない。だから高齢者と母子家庭ばかりになってしまったのです。学区の役員のなり手もないし、それどころか何か災害時に先頭に立ってやってくれる人もない。以前のように管理人を置いてくれるよう要望したのですが、市の方針で却下されました。予算が無駄だとオンブズマンが市の条例を変えたの。彼等もいいことを言うのだが、皆の気持ちが分かってない」

この学区の高齢者の数はざっと650人。近くに身寄りがいない人が多いので、何か事あれば民生委員の肩にかかってくる。

「人数が多いから友愛訪問も追いつかない位です。道でもキョロキョロしてますよ。回覧板だって昔はもの言ってから手渡してたけど、今はポストに放り込むだけ。隣の人の様子なんて全くわかりません。見かけないなと思うと組長さんが見に行く。あまりに長期だとおまわりさんに頼んで覗いてもらったりして認否確認が大変。昔なら隣近所に頼んだりカギなんかかけずに生活できたんだけど…。
またプライバシーとか何とか言って下手に話も出来ない。その点、ESSはピッタリですよね。それなのに一人暮らしの人は新聞をとらない。新聞代ぐらい少し節約すればでるのに。だから私は給食会の時などに、ESSに入って隣近所に迷惑かけんようにって呼びかけてるんですよ」

2009.2.25発行 み・まも〜る3月号 Vol.22