ヒューマンスクランブル第305回


『目指すは三段目復帰!』
三保ヶ関部屋 
香富士(かおるふじ)さん

 暑い暑い名古屋の夏を、涼やかな気持ちにさせてくれるのが力士たち。大きな体、に出っ張った腹。それでも、涼やかなのは、火なのに涼やかな花火と同じ。一瞬、現実も忘れさせてくれる〝何か〟があるのでしょうね。
 さて、今号のヒューマンは、小紙恒例、三保ヶ関部屋のお相撲さん。今回マイクを向けたのは、静岡県沼津市出身の香富士さん(20)です。
 入門のきっかけは、中2のとき知り合いに誘われて三保ヶ関部屋に見学に行き「相撲を体験。とても雰囲気が良かった」から。
 それまでは相撲とは無縁の生活。〝わんぱく相撲〟
の類に出たこともないし、中学時代の部活は「パソコン部」。「でも、運動は好きでしたし、相撲は父親が好きで一緒にテレビ観戦をしたことはありました」と言います。
 入門して5年。「雰囲気の良さは今も一緒。親方もいい人ですし。だから一度も辞めようと思ったことはありません」と笑い「一つのことに夢中になるタイプかも。パソコンとか好きだったのに、今は全くやりませんから」と香富士さん。
 しこ名に「富士」を冠するぐらいだから、古里への思い入れも強いのでしょう。好きな力士も、静岡出身の潮丸関。「体を丸くして、ぐいぐい前に出る相撲を取ります」と、その取り組みを評価。175センチという身長も同じで、155キロの香富士さんに対し170キロという潮丸関は、同体型。好きというより目標なのかも。
 港町出身なのに、いや、出身ゆえに「生魚の臭いが嫌い」で刺身が苦手。魚より肉が好きで特に鶏肉が好物。名古屋名物の手羽先も大好きとか。現在は序二段ですが「勝って三段目に復帰したい」と抱負。昇進して、理想という〝サトエリ〟のような美人もゲットしてくださいね。

2008.7.15発行 紙ひこうき Vol.325