愛・あむ 日経マン


■販売部 入沢剛(42)
身長/183㎝・体重/76kg
家族/妻

 京都は嵐山で育った。中学からトランペットで吹奏楽部に参加。一度くらい全国大会に出たいと関西の雄、関西学院大学へ進学した。世はバブルに浮かれていたが、部活とバイトに明け暮れる日々で浮いた話は皆無。当時一世を風靡した『男女七人秋物語』で明石家さんま演ずるツアーコンダクターに憧れ旅行社を受け、内定するも留年。バイトと部活の隙間に授業を挟むのを忘れちゃった!
 元々新聞が好きで小学校の頃から帰宅すると縁側に広げて読んでいたものだったが、日経新聞なるものは就活で初めて読んだ。読んで、「知的であることは反体制」だった時代を過ごした父親の読む新聞はちょっとバランスが悪いことに気がついた。日経は思想的にニュートラルなんだ…。ということで、就活二年目にして日本経済新聞社へ入社した。
 平成三年、九州転勤。バブルが弾けて本格的な地獄が始まった。
「面白いほど部数が減って辛かった」。口から出るのは愚痴ばかりで、毎日辞めようと思っていた。そんなある日、新聞販売店の所長から「社から給料を貰ってるじゃないか」と言われて吹っ切れた。この言葉で「文句言ってるより、きちんと筋道立てて仕事すべき」と悟ったのだ。新聞社の販売の筋道とは「嘘はつかない・約束は守る・やると言ったらやる」の三点に尽きるとキッパリ。
 「社会活動には偏りのない情報が必要。日経には、きっとお役に立つ情報が必ずあります。これは一人の新聞大好き少年だった者からのメッセージでもあります」と入沢さん。「京都人は腹黒い」と笑ってみせても、京都男特有のシャイな一本気が丸見えですよ!

2008.5.9発行 エコノミスト●なごや Vol35