ヒューマンスクランブル第302回



原中2年
 梅田菜都美さん

「うしなわれた命」でコンクール入選 

「NIE(エヌ・アイ・イー)という言葉を聞いたことがありますか?ニュースペーパー・イン・エデュケーションの略で、学校などで新聞を教材として活用することです。
 30年代にアメリカで提唱され、日本では85年の新聞大会で提唱されました。96年には、NIE基金が発足。98年からは、新たに設立された日本新聞教育文化財団
がNIE事業を行なっています。
 中日新聞では「新聞切り抜き作品」「学校・学級新聞」コンクールを愛知をはじめ9県の県教委、名古屋市教委の後援で開いています。
 2月23日には、「第14回新聞切り抜き作品コンクール」の入賞者の表彰式が、中区栄の中日パレスで行なわれました。
 切り抜き新聞コンクールには、中部9県から7389点もの応募があり、中学生の部では原中2年の梅田菜都美さんの作品が入選に選ばれました。
 「中1のとき、授業で作りました。それまでは、正直言ってあまり新聞は読んだことがなかったのですが…」と梅田さん。
 梅田さんは、新聞を読み死亡記事の多いのに驚き、心を痛めます。「亡くなった家族の気持ちを考え」て選んだテーマは「うしなわれた命」。
 作品づくりで苦労したのはレイアウト。「初めてで難しかった」と言いますが、苦労は(入選して)友達たちの「すごいね、すごいね」という言葉で報われました。
 「毎日たくさんの人が死んでいきます。特に子どもの死は悲しいもの。こんな事件や事故がなくなり、新聞から〝死亡事故〟がなくなる日が来るといいですね」と梅田さん。
 入選したのですから、作品も素晴らしいものだったのですが、何よりも素晴らしいのは、彼女が新聞記事から学び、感じ取ったこと。
「命、とりわけ幼い命を奪ってはいけない」という思いは、梅田さんを大きくて優しい女性にしてくれるはず。
 新聞は、やっぱり「社会の教科書」ですね。

2008.4.15発行 紙ひこうき Vol.322