介護はいつから誰がどこで?その3 デイサービス


現代は親と同居してお世話してくれるお嫁さんがいたら「観音様だと思って拝まなければならない時代」だそうだ。女性も仕事を持つなど生活形態や住宅問題も絡むから〝観音様〟であるか否かは、お嫁さんの心根の問題だけではないだろう。
しかし「家庭介護の条件を満たしていたとしても、やはりデイサービスを利用した方が良いのでは」と、ある福祉関係者。「専門家や経験豊かな人がいますから、高齢者の身体の変化をいち早く察知できるんです」とのこと。発熱・血圧はもとより、うつろな目やよだれなどから脳梗塞を発見。デイサービスは医療への突破口としての機能を持っているようだ。
重度の介護を必要とする人の入浴は大変だ。「そのうえ毎回お年寄りの体の隅々まで洗う家庭は少ないだろうし、もしそこまでできたとしても、家族では褥瘡(じょくそう=床ずれ)を初期段階で発見するなどは不可能に近い」そうだ。デイサービスでは、入浴時に乳癌など触診で分かる病気を頻繁に発見しているようだ。
家庭介護の限界は、特に息子など男性が親を看る場合に顕著で、女手がないとこんなにも悲惨になるのかという例が多い。特に食事は仕事の帰りに弁当を買うのが精一杯。こんなケースだと、昼間にデイサービスに通うことがお年寄りにとって救いになっている。
しかし何にせよ「先立つものは金」という現実がある。特に介護法が改正されてからは食事と送迎は適用外(自腹)になったので、何百円かの食事代を節約するために菓子パンひとつだけを持たされて通所する高齢者もいる。これでは栄養不足で骨粗しょう症等が益々悪化する。
「親は子のために食べないでも子に与えたが、子は親にお金を出さない」と、あるお医者様。ここまで日本人は腐ったかと嫌になってしまった。

2007.12.25発行 み・まも〜る1月号 Vol.8