案山子が見張番 二つ池の田んぼ


二つ池の田んぼ

六月号で田植えの様子をお知らせした二つ池の田んぼ。八月二十九日、その後の様子を見に荒池緑地に行ってみた。
薄緑色だった小さな苗は、すくっと成長して濃い緑色に。その真ん中には案山子が並び、さらに稲の中にはきらきらテープが張り巡らせてあった。「出来たばかりの穂の中にある”乳”を雀が吸いにくるんですよ」と田んぼのお世話をしている塚本さん。元平針小学校の校長先生だ。案山子やテープは『田んぼ体験から農文化を考える』講座の三回目に子どもたちと一緒に作ったのだそうだ。
「毎週月・木の三時からは誰か大人がいて、子どもたちもやってきます。小さな子もとんぼを目当てに来ますし、お年寄りも散歩の途中で足を止めて昔の農業の話をしてくださる。田んぼが地域の人とのかかわりを作ってくれました」と塚本さん。
田んぼにはとんぼなど昆虫がいっぱい。これも無農薬栽培の賜物なのだが、それゆえに収穫高は三割ほど減になるらしい。しかし塚本さんは「栽培するころが目的ですから」と目を細める。みんなでお世話する二つ池の田んぼ。もうすぐ頭を垂れた稲穂が黄金色に輝きだす。楽しみですね。

2007.9.11発行 紙ひこうき Vol.315