編集後記


 春は人事異動の季節。入社した当時、あんなに仲が良かった「同期」も、誰かに役職が回り始めた途端にビミョーな雰囲気に。
 アイツなら当たり前だという満場一致人事は稀で、なぜアイツが…という暗い眼差しが突き刺さるらしい。知人のご主人は高卒で管理職に抜擢されたのだが、その暗い眼差しと嫌がらせに負け、心を病んでしまった。男の嫉妬心の恐さである。
 酒色を絶ち、五穀を絶ち、不眠不休の荒行さえやってのけるほどの修行僧でも、隣の坊さんより座布団一枚下座になっただけで腹が煮えくり返るというから、男の権力に対する執着はアホの一言に尽きる。
 女はどうなんだろうねえ。

2007.3.13発行 紙ひこうき Vol.309