伝統行事いつまでも 秋葉山火渡り神事


堀場住職

秋葉山慈眼寺で毎年十二月十六日に行われる火祭り。今回は堀場住職からお話を伺った。七十歳を迎えられた住職は、子どもの頃から火渡りをされている。「着物が燃えたこともないし、火傷をしたこともありません。熱くないんですよ。一度体験してもらえばわかるんですが・・・」と住職。
昔、偉いお坊さんがお休みされた事から「休跡斎」と名付けられた石の跡地で行われる火渡り神事は、一年の心身の汚れを火で清め無病息災を願う伝統行事となっている。以前は旧暦の十一月十六日に行われていたが、昭和五十八年から現在の日程になった。
本堂でお経を上げたあと松葉と松の木で三段に組まれた祭場へ本堂からの蝋燭の火を移す。燃え上がる炎に祈祷を捧げるといよいよ火渡りが始まるのだ。この神事のために住職は一週間前から身を清める。「元気なうちは続けたい。子どもさんも若い方も来てほしいですね。そして受け継いでいかれるといいですね」と話された住職。末永く継承されることを祈ります。
火渡り神事未経験の方は、ぜひ今度ご参加下さい。

紙ひこうき H.19 Vol.307