中日詩賞を受賞 大西 美千代さん


大西 美千代さん 「中日詩賞」を受賞第282回 原1丁目 大西 美千代さん
「中日詩賞を受賞」

「新聞に載ったことで、知ってくれた人たちがいる。賞を取ったこと・新聞に出たことを一番喜んでくれたのは母」。
原の大西 美千代さん(53)が第48回中日詩賞を受賞した。

対象作品は、昨年11月に上梓した詩集「てのひらをあてる」。
大西さんにとって6作品目の詩集だ。

「小さいころから本が好き。ジャンルを問わず、学級図書などを読破。そして詩を書き出したのは10歳くらいの頃からです」。
作品を読んだ年上のいとこが絶賛してくれ、これが自信になった。

高校時代は文芸部。詩を強く意識し始めたのは、大学生になってから。
やはり文芸部にいて、仲間6~7人で同人誌を発行。作品を発表してきた。

社会人になり「噉欖(かんらん)」の同人になった。
もう25年ほど同じメンバーで活動をしている。
中日詩人会にも入会していたが、病気が原因で退会。しかし、今回の受賞が契機となり、再び入会した。

創作は夜が多い。「思いついたらメモを取ったり、荒書きする」が、一週間ほどかけて作品に仕上げる。
多い年は、年に40作も作ったことがあるが、今は年間で3~4作を仕上げる。

初出版は25年前。
「水の物語」を詩耕社から刊行した。
「メンバーに勧められた」のがきっかけだが、以来、ある程度作品がたまると出版してきた。

アートを評価することは難しい。ましてや詩。
絵画で言えば、抽象絵画に似てもなくない。が、あれこれと分析する必要はない。読み手が何を感じるか、だろう。

その意味で「てのひらをあてる」は分かりやすいのかも。
「手で物を見る」のは、幼児だ。人は成長するにつれて、物を見るとき、目を使い、頭を使う。
が、目や頭は遠くを見ることができる反面、見えないものが多くなる。それは、自分の魂のありかであったり、人が人として生きる意味であったり。

さて、あなたは何を感じるのだろうか。同書は三省堂などで取り扱っている。

[紙ひこうき Vol.302 / H.18.8号]