子どもたちにも教授 日舞の楽しさ 花柳梅奈香さん


花柳 梅奈香さん

「どまつり」を見て感じること。それは「あ~、日本人って本当に踊りが好きだな」って。なのに、ちょっぴり不満。「日本舞踊をする人、近頃少なくない!?」

そんな気持ちを抱いて会ったのが平針二丁目の花柳梅奈香(うめなか)さん。花柳流の師範で、本名は佐藤シズ子さん。この道40年以上のキャリアを誇り、指導者としての経験も30年以上という日舞の先生。

「子どもの頃に習い、一時中断。結婚後再開しましたが、それからは一度としてやめようと思ったことはありません。体を動かすことも、踊ることも大好き」と話す顔が輝いて若い。

あちこちで生徒さんを指導する傍ら、トワイライトスクールでは子どもたちを。デイサービスではお年寄りたちにも「体を動かすこと」を教えている。

「子供たちに教えるのは、歌舞伎。日舞だとやはり“着物”が必須。でも、歌舞伎は“ミュージカル”みたいなもの。洋服でも舞えますし、大見得など大声も出しますから」。
メリハリがあるから、子どもたちも飽きないのだろう。そして稽古を通じて礼儀や作法も教えるという。

「仕事をしていたときと違い、今は“踊り三昧”。朝から晩まで“踊り”です。これも主人の理解と協力があればこそ」とにっこり。その隙間を縫って「旅行やゴルフを楽しむ」というが、これは“ご主人と一緒”。つまり、仲が良い。

そうそう、取材当日の梅奈香さんの出で立ちは、もちろん着物。「着物っていいなぁ~」と思ったのは記者だけではない。

2009.11発行 紙ひこうき Vol.341