命を救いたい! あいちクローバー代表 福元博樹さん


ヒューマンスクランブル

近頃、よく耳にするのがAED。自動体外式除細動器のことだが、日本語で言われた方が、何やら小難しい。平ったく言えば、心臓マヒなどで心肺が停止状態になった人を、蘇生させる機械だ。こんな優れ物なのに、きちんとした指導を受ければ、誰でも操作ができるのだ。

「そう、心臓が止まって5分が勝負。1分経過するたびに助かる確率は10%ずつ低くなります。ところが、救急車が到着するには6分かかるとか。何もせずに、ただ待っていたのでは助かる確立はどんどん低くなってしまいます」と話すのは、NPO法人「あいちクローバーの福元博樹代表(42)。同法人は昨年の四月に発足した「AEDの普及活動を中心に行っている」ボランティア団体だ。

「1年前は、ボランティアの意味もはっきりとは知らないくらいでしたが、異業種交流会で『仕事以外で何かやりたいね』と意気投合。救急関係の仲間がAEDの必要性を説いたのがきっかけ」と発足の経緯を話す。
「ところが、よく聞くようになったAEDも、設置個所を調べると平針、原には少ないんですよね。小学校に1台、コンビニなんかにも設置してあるといいのですが…」

そんな便利なもの、早く各所に設置すればいいのに、と思う人も多いと思うが、何しろ1台約50万円もするのがAED。同法人では、AEDの必要性や使用方法を市民に伝えるだけではなく、イベントなどを開催して購入資金を集め、人の集まりやすい場所(例えば海水浴場など)に寄贈したりもしている。

ボランティアって、要するに“人の輪づくり”。仲間のためなら、なんだってできるものだ。そのためにはパワーもノリも必要と、福元さんは言う。

そして継続のキーワードを「とにかく楽しく!」と笑った。

2009.08発行 紙ひこうき Vol.338