ヒューマンスクランブル第316回


インテリア“書”を極める!
原3丁目 鈴村 尚子さん

インテリア『書』を極める / 鈴村尚子さん

原3丁目に事務所を構えるビジネスコーチ、鈴村尚子さん(オフィス鈴村代表)には、もう1つの顔がある。それは「書家・尚子」だ。

30年ほど前「花嫁修業的な軽い気持ち」で始めたのが書道。「字がうまくなりたいとの思いもありましたし、茶華道や洋裁、編み物などは、ひと通りやっていましたから」と笑う。

「軽い気持ち」だったが、腕前の方は、どんどんと上達。平成14年には2回目の応募で日展にも初入選。日展作家の仲間入りをした。ところが「これから」というときに、仕事の都合で、活動を中止するはめに。
「書けない時間」が、ある意味、鈴村さんにパワーを与えた。「好きな事をする時間が欲し~い」18年には、あっさり永年勤めた会社を辞めた。

この時点で「書」が頭にあった訳ではむろんない。ビジネスコーチの資格を取得し、企業。そして書も再開した。
「自宅を改装しました。その時の業者さんに、表札やポップを書いてくれないかと頼まれ、アルバイトをしました」。初めての個展をしたのも、この業者が縁になった。
小品が売れ、売れることで日本人の文字に対する思い入れなども学んだ。「そぅ、文字の力を実感しました」。

もともと、楷書(かいしょ)がすきで、書の作品も漢字一文字が多かった。好きな文字は自然に関するもの。たとえば、花、桜、月、夜…。夢とか創も好きな文字だ。

こうして書いた作品を、デザイン性の高い額に収めると、こじゃれたインテリアになることが分かった。「インテリア“書”」の誕生だ。
「インテリア書というのは、私の造語。でも、これを確立させていきたい」と鈴村さんは力強く言い放った。

「人生50年」という言葉が死語であることを実感。パワフルな“アラフィフ”鈴村さんから元気を頂いたひと時だった。

2009.06発行 紙ひこうき Vol.336