大きい会社ではなく いい会社にしたい 鳥原 久資さん


鳥原 久資さん

 

鳥原久資さんは、株式会社マルワ 代表取締役社長。社名だけではわからないが名刺には、「印刷にとどまらない情報発信のお手伝い」と記されている。

 

そう印刷会社なのだ。その株式会社マルワが、経済産業省が推奨する「平成26年度おもてなし経営企業選」に選ばれた。

 

おもてなし経営企業とは①社員の意欲と能力を最大限に引き出し、②地域社会との関わりを大切にしながら、③顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営、を実施している企業のこと。

 

平成26年度は、全国から22社が選出された。文字にしてみても難しく感じるおもてなし経営企業の定義だが、実践するとなると、さらに手強そうだ。

「大切なのは社員とその家族、協力会社とその家族、そしてお客様です」とおっしゃる鳥原さん。社内での取り組みや地域との関わりについて話し出したらとまらない。

 

主な取り組みとして「МVP表彰」「全社員会議」「委員会活動」などがある。МUD(メディアユニバーサルデザイン)にも力を入れていて色覚異常者・高齢者にも分かりやすい商品の普及につとめている。また、どまつり、商店街や地域のイベント、区民まつり、名古屋ウィメンズマラソンなどにボランティアとして参加している。

 

こういった取り組みが社員のやる気、能力を引き出し、高品質な仕事と、地域社会への貢献のやさしさとなり、その結果がおもてなし経営企業として認められたのだと思う。

鳥原さんは名古屋生まれの名古屋育ち。愛知教育大学を卒業し、教師となった。「教師になれば家業を継げと絶対に言われないと思いまして」。

 

しかし、40歳でマルワの社長となった鳥原さん。先代から引き継いだのは「正しい経営」だそうだ。

 

「この会社は父が起こしたもので、創業者というのは本当に大変だったと思います。そういう意味では父を尊敬しています」

近所にある会社がどんな仕事をしているか知る機会はあまりないが、どこかでマルワで働いている方に出会ったら「マルワさんて、すごい会社なんですね」と声をかけてしまいそうだ。