ヒューマンスクランブル第312回


交流が楽しみ!
グループホームのボランティアさん

グループホームのボランティアさん

高齢社会である。ところが核家族化が進んだ今の日本では、お年寄りはお年寄りだけで済むのが“当たり前”になっている。夫婦が健康ならば、それはそれでいい。ところが…。

要介護のお年寄りの面倒をみる施設はいろいろある。天白町大字平針の「グループホーム ひらばり」「グループホーム 向が丘」もその一つだ。
スタッフが手厚い介護に当たっているが、同施設には、利用者をサポートするたくさんのボランティアがいる。

「なじみの暮らし」「その人らしい生き方」が同施設のポリシーという。そのためにソーシャルワーカー部の山田勝成主任らが各戸を訪問し、理解を求めるとともにボランティアスタッフも募った。

オープン当初は、なかなか理解してもらえなかったというが、今ではその数70人を超え、ボランティアの輪が広がっている。

資格を持った人や経験者もいるが、「世話をするなんて、おこがましいですよ。一緒に楽しんでいます」という人がほとんど。
「こういう施設を知っておきたくて」という人もいれば「もっと暗いイメージでしたが、皆さん明るくておだやか」と話す人も。

入居施設だけでなく、小規模多機能型居住介護施設もあり、ここではデイサービスを行っている。また、喫茶室「寄り合い茶屋」もあり、ここには地域の人もやってくる。

もちろん、同喫茶室の“マスター”川岸信雄さん(79)もボランティア。
「うちのお父さん、コーヒー入れるのうまいから」という娘さんの言葉でマスターになったというが、これが本格派。値段も安い。

「化粧品関係にいた」という川岸さんの奥さんも、利用者にお化粧をしてあげたりしているし、寄り合い茶屋の客が、いつしかボランティアとして活躍する事も多いといいう。

「情けは人のためならず」だし、同施設は「やがては来る場所」。
知らん顔では済まされない。

2009.02発行 紙ひこうき Vol.332