平針木遣り音頭保存会会長 村瀬 進さん


平針木遣り音頭保存会会長 村瀬 進さん

 

 

平針木遣音頭が、名古屋市指定無形民俗文化財となったのは、昭和31年。名古屋城築城(1610年・慶長15年)の際の作業歌が伝承されたものといわれている。その歴史ある平針木遣り音頭保存会の第六代会長が、村瀬 進さんだ。

 

「はじめたのは26~7才頃です。木遣りをやっていた叔父に進められまして…」

 

築城のために各地から集められた人夫が木材や石などを運ぶ時に士気を高めるために歌われた作業歌を地元に持ち帰り広まったものだが、神社・仏閣・城などの建築はめでたいことなので慶祝行事で歌われることとなった。

 

「昔は棟上式や結婚式など歌う機会もけっこうありましたが、今はほとんどなくなりました。平針の木遣り音頭はNHKの民謡コンクールで優勝したこともあり、全国的にはかなり有名です。今も木遣りの全国大会に出て欲しいと依頼されることがあります」と村瀬さん。

 

身近にあると気付かないけれど、平針木遣り音頭は貴重な文化財なのだ。今は、区民まつり・天王祭などの発表の場が限られているが、伊勢神宮式年遷宮・名古屋城再建の際には出向いて歌を披露した。

 

現在、保存会の会員は34名。平針・原の2か所で月2~3回練習が行なわれていて、平針には豊田から習いに来ている人もいる。ここ数年は、天白文化小劇場で子供向けの体験教室も開かれている。

 

400年間綿々と続いてきた平針木遣り音頭、この貴重な文化財の保存と継承はとても大切だ。保存会では会員を募集中。興味のある方は、練習に参加してみてはいかがでしょうか。

 

天王祭