間一髪・脱水症状


 九月に入ったのに暑さは一向に衰えないある日、団地を配達していたスタッフが、昨日の朝刊が残っているのを見つけました。そこにお住まいのおじいちゃんは一人暮らし。八十過ぎのご高齢でしたが、危なっかしいところなど微塵もないしっかりした人でした。
 朝刊スタッフから連絡を受けた販売店は、すぐに様子を見に行きました。まだESSにはご登録頂いてませんでしたが、高齢者の一人暮らしということで、気をつけていた人だったのです。
おじいちゃんの部屋は、もう明るいのに電気がついていました。反対側に回ると、お勝手からベランダに出るドアも開いたまま。普段はそんなことはないのです。何か変だ。玄関から呼びかけたり、チャイムを鳴らしたり、電話を掛けたりしましたが、応答はありません。販売店はすぐさま担当民生委員さんに連絡しました。
 民生委員さんが駆けつけて、向かいの棟から見たところ、おじいちゃんが部屋の中で倒れているのが分かりました。さっそく119番。救急隊員は隣家のベランダ越しに部屋に入っておじいちゃんを救助しました。まだ意識はあり、受け答えもされたそうです。原因は脱水症でした。おじいちゃんはそのまま入院されましたが、今月末には退院の運びとなりました。

2007.10.25発行 み・まも〜る11月号 Vol.6