見守っちゃった!


地域に一人暮らしのおばあさんがいました。かなり高齢で弱っていらっしゃるようなのでESSをお勧めしたところ、承諾してくれました。しかしなかなか書類が書けません。
 登録はしてないものの心配なので、新聞配達のスタッフにはそれとなく注意するようにと伝え、集金スタッフは集金のたびに出来る限り話し相手になっていました。
ところがある日、もうその世間話すら危うくなり、何がなにやら分からない状態になっていました。これはいかん、何かおかしいと感じたスタッフは、分からないおばあさんから苦労して身寄りの連絡先を聞き出し、同時に民生委員さんに連絡をしました。民生さんが面談したときは「まだ大丈夫」な状態でしたが、互いに連絡を取り合って注意することにしました。
認知症は急速に突然に悪化するものなのでしょうか、次にお訪ねしたときには、もうおばあさんは何も分かりませんでした。スタッフはその場で身寄りである弟さんに連絡しました。
程なくして弟さんから店に電話が入りました。彼が駆けつけたときにはもうおばあさんは垂れ流し状態になっており、あのまま誰にも気づかれずにいたらどうなっていただろうかと、感謝の言葉を述べられました。
弟さんも高齢で息子夫婦に世話になっている身、民生さんと共に役所の手続きをし、おばあさんは市の施設で養護されることになったようです。

2007.9.25発行 み・まも〜る10月号 Vol.5