離婚年金分割


いよいよ2007年度到来。かねてより離婚を目論んでいた専業主婦の皆様、計画は順調に進んでいますか? なんて声掛け合うほど、この制度はおめでたくないみたいだ。

分割といっても、その割合は当事者間の話し合いで決定される。

来年度からなら強制分割できるが、それは来年度分からしか勘定に入らない。それまでの分の「内助の功」は、依然として話し合いで決めなくてはならないのだ。ただでさえ淋しい晩年に、それでもと敢えて孤独の道を妻に選ばせるほど の嫌な奴が、スンナリと折半を承諾するとは考えづらい。ま、これは女性としての意見ですが。

さて、この制度でも置いてけぼりなのが自営業と農家の妻。対象はあくまで厚生年金(公務員なら共済年金)だからだ。かつて「翔んでる女」という言葉が流行った折、「それじゃあ私らは這いつくばってる女かねぇ」と言っていた商売屋の妻達を思い出した。家事分担はおろか、接待交際係とでもいわんばかりに「旦那さん業」に勤しむ亭主を尻目に朝から晩まで身を粉にして働いていた彼女たちが、もし人生をやり直そうとしたとしても、「内助の功」は公的に一切認められないのだ。国民年金だもの。

また今後問題になるだろうと思われるのは、高所得の妻がペケ亭主に愛想を尽かす場合、ペケ男に自分の年金をくれてやらなければいけないことだ。折半とはそういうことである。どういうわけか稼ぐ女には無能男がつきやすい。最初まじめな男でも、甲斐性のある女と結婚した途端ダメになる男も多い。せびり取られ続けた挙句に厚生年金まで分けてやらねばならないのかと、暗澹たる思いがすることだろう。

あっ! それってひょっとしたら、年金分割制度を苦々しく思ってるお父さんたちの気持と一緒なのか? う〜ん平等!

2007.5.2発行 エコノミスト●なごや Vol.29